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リゲッタ誕生秘話 第15回

Re:getA誕生秘話

リゲッタ誕生秘話 第15回

「ブランド力を作るにはどうしたらいいのか?」

とにかく、ミニッシュのウィークポイントを掘り下げてわかったのは、
「シューズミニッシュには “ブランド” がない」でした。
下請け時代は親元メーカーの歴史と伝統という「ブランド力」がありました。
製造活動を長年の間、波なく続けていく…ということがいかに難しいか?
その厳しさを知りました。

あれやこれやどこかで売れた商品のコピーをしていた僕は、
地に足が着いていなく、その場しのぎのデザインを繰り返していたんでしょう。
それを他社にコピーされても文句は言えません。
ブランド力があれば、ちょっとやそっとの流行には左右されません。
ブランド力があれば、お客さんの顔色をビクビク窺いながらデザインをしなくていいんです。

じゃあ、ブランド力を作るにはどうしたらいいのか?
これはすごく難しいことです。

いろんな方法と手段を考えました。
コンセプトの定まったものを長年変わらず作り続ける。
どんな寒波が来てもまっすぐ立って、微動だにせず冬を越せるツンドラの針葉樹林。
そんなイメージの商品づくりをしないといけない…
そう考えました。

ただ、明日のご飯が食べられないのに時間をじっくりかけて
ブランドを育てる…って余裕は、当時の僕には、
そして、ミニッシュには財力がありませんでした。

Re:getA誕生秘話イラスト:高本 泰朗

【毎日朝9時から夜中4時まで仕事】

ブランドには歴史が必要です。
何年かかるのだろうか?って思い悩みましたが、
とにかく始めないといけない。
そうしないと三年後同じことを考えて悔やむはずだ。
高校生活の三年間が終わった生徒はあっという間だったって必ず言う。
今から三年って思うと長いけど、三年はあっという間だと思うと、
時間がないと焦るはずだって考えました。

たった三年…と思うようにしよう。
そしてタイムリミットは三年。
もう30歳になる。もう時間がない。
30歳になったら終わり。試合終了って当時はやっぱり考えていました。
自分が終わる。自分が終わる。
時間がない。時間がない。
ってずっと考えていましたね。

何かに脅迫されていたんでしょうか?
実際は30歳になってもまだまだ未来はあるのに、
どうしても明るい未来を考えることが出来ませんでした。

体力・知力・精神力。
今思い出しても、一番しんどい時代ではなかったでしょうか…?
親元メーカーから仕事をもらっていた下請け時代よりも、
もっと深い疲れが待っていました。
そういえば結婚して3年。ほとんど家に帰ってなかったですね。
よくもまぁ、離婚されなかったものです。
毎日夜中4時まで仕事。会社が実家だったので実家でそのまま寝る。9時から仕事。
嫁さんの両親は僕のことどう思ってたんやろ?
子供を作る余裕もなかったですし。

一人でどうやったらブランドを作れるかず〜っとブツブツ言ってました。
そして生々しい想いをずっと大学ノートに書き連ねていました。

<つづく>

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第16回は2016年4月1日(金)公開!乞うご期待!
職人 Re:getAデザイナー 高本 泰朗 靴職人 Re:getAデザイナーシューズミニッシュ代表取締役 高本 泰朗

生まれも育ちも大阪の生野区という下町で過ごしてきたデザイナーの高本氏。
靴の専門学校、シューズメーカー数社での企画・デザインの経験を経て、当時靴の下請けであった実家「タカモトゴム工業所」で靴作りに励む。
2001年、後に「リゲッタ」「リゲッタカヌー」などのブランドを手掛ける「シューズミニッシュ」として、靴メーカーを始める。