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リゲッタ誕生秘話 第19回

Re:getA誕生秘話

リゲッタ誕生秘話 第19回

「展示会の日に生まれた息子」

仕事量が安定しないというストレスと不安。
なんとかしないといけない、しっかりしないといけないと心をまっすぐに保とうというストレス。
そんなことを繰り返していると、いつか、逃げたい、逃げたい、仕事をすべて投げ出したい、と考えるようになりました。
なんで僕だけこんなに苦労しないとダメなんだろう。
あまりにも不公平だ。
こんなに寝ずに頑張っているのに報われないなんて。
精神が最悪の時期でしたね。

それまで一日18時間は仕事をして、
ご飯を食べてる時もお風呂に入っているときも、
夢の中でも靴のことを考えていたので、
もう二度と靴なんて見たくない考えたくない・・・って感じでした。
限界でした。

まじめにいくらやっても無駄やん。
もうええわ。

靴作りなんて楽しくない。
馬鹿みたい。

何のために一生懸命やってきたんやろ?

寝てないし、体力ないし、悪い方にしか考えられない時代だったと思います。
常に後ろ向きでネガティブな発想になってましたね。

人生で初めてグレてました。

有名になってテレビとか雑誌とか出たかったなぁ。。。
思ってたんと違うなぁ・・・。

この近年、ミニッシュの象徴だった犬4匹の全員立て続けに死に、
なんかモチベーションも取り戻せない自分がいました。
何もかもうまくいかない。
楽しいことなんて何一つない。
人生なんて面白くない。

Re:getA誕生秘話イラスト:高本 泰朗

【展示会の日に生まれてきた息子に不思議な縁】

そんな中、2006年の5月に子供が生まれました。
展示会の日に生まれたんですね。
展示会にはもうやる気もなかったので不貞腐れていましたが、
こんな日に生まれてくる息子に不思議な縁を感じました。

展示会が終了して病院へ向かい、赤ん坊を抱くとき恐怖で体が震えました。

「本当に俺がこの子を養えるのか?こんな精神でこの子に何を教える気なんや?
この仕事量でどうやってご飯を食べさせるんや。
もっとしっかりせなあかん。。。」って。
震えるほどの恐怖心もありましたが、この子のために・・・という武者震いもあったと思います。

ちょうど息子が生まれた展示会で他のメーカーさんにこんなこと言われました。
「いい靴作ってるね〜。ただ、偉そうに言うけど、出る展示会を間違えてんじゃない?」

なんかね、この言葉が目からウロコだったんです。

ほんまや、なんで固執してこんなローカルな展示会で勝負し続けたんやろ・・・。
何も理解してないのは僕なんじゃないのか?
根本的に間違えていたのは僕なんじゃないか?

なんか休んでいた自分の心がまた沸騰してくるような感じがしてきました。
自分の中で「 逆転編 」が始まるイメージです。

<つづく>

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第20回は2016年6月10日(金)公開!乞うご期待!
職人 Re:getAデザイナー 高本 泰朗 靴職人 Re:getAデザイナーシューズミニッシュ代表取締役 高本 泰朗

生まれも育ちも大阪の生野区という下町で過ごしてきたデザイナーの高本氏。
靴の専門学校、シューズメーカー数社での企画・デザインの経験を経て、当時靴の下請けであった実家「タカモトゴム工業所」で靴作りに励む。
2001年、後に「リゲッタ」「リゲッタカヌー」などのブランドを手掛ける「シューズミニッシュ」として、靴メーカーを始める。